初心者ゴルファーが最低限覚えておきたい、ゴルフのルール
ゴルフはとてもシンプルなスポーツのように思われますが、細かいルールが沢山あり、全てのルールを完璧にマスターするのは困難です。
しかし、ゴルフには審判がいません。
その為、プレイヤー一人ひとりがルールを把握してプレーする必要があります。
そこで今回は、ゴルフ初心者が最低限覚えておきたいルールをまとめてみました。
ぜひ参考になさってください!
ゴルフのルール概要は?
各ホールのティーイングエリアから最初にボールを打ち、そのボールが停止した地点から二打目を打ちます。それを繰り返し、グリーン上に設置されているカップにボールが入るまで打数を重ねます。
18ホールを終えた時点で『実際に要した打数』+『ペナルティ』がスコアとなり、いかに少ないスコアでホールを回れるかを競う競技です。
プレー中は、あるがままの状態でボールを打つ事が原則で、最初の一打を打った後はカップインするまで、例外を除いてボールを手で持ち上げることはありません。
1回のラウンドで使用できるクラブは14本以内と決まっており、それ以上のゴルフクラブをキャディバッグに入れてプレーすることはできません。
コースの名称・用語を覚えよう
各ホールには規定打数があり、一般的なゴルフ場ではパー3が4ホール、パー4が10ホール、パー5が4ホールの、計72打となっています。
ゴルフの競技スペースのことを『ホール』と言い、ホールは『ティーイングエリア』『ペナルティエリア』『バンカー』『パッティンググリーン』『ジェネラルエリア』の5つから成ります。
ティーイングエリア
ティーマーカーと言う目印が2つ設置してあります。
一般的に、男性は白のティーマーカーから、女性は赤やピンク(白より前方)から、上級者は青や黒(白より後方)からと、飛距離に応じてスタート位置が異なります。
2つのティーマーカーを結んだ線から、ドライバー2本分(『2クラブレングス』と言います。)後ろの、仮想の長方形の中から最初のショットを打ちます。
打つ順番は、1ホール目はくじ引きにより決め、2ホール目以降は前のホールで成績の良かった順となります。
ペナルティエリア
池や小川、崖、雑木林など、ボールを打つ事が困難な場所を指し、赤または黄色の杭や線で区切られています。
赤の杭や線の中をレッドペナルティエリア、黄色の杭や線の中をイエローペナルティエリアと呼び、後述しますがそれぞれで対処法が異なります。
バンカー
砂で満たされた部分で、障害物の一つです。
バンカー内でボールを打つ時に注意しなければならないのが、打つ前にクラブを地面に着けない事です。
クラブを地面につける事を『ソール』と言いますが、バンカーの中でソールしてしまうと、2打罰となりますので気を付けましょう。
パッティンググリーン
カップが設置されている芝生区域の事で、通称"グリーン"と呼ばれています。
(カップ自体のことを『ホール』と表現することもあります。)
グリーン上ではマーカーを置く事により、ボールを手で持ち上げる事ができます。
マーカーはボールの真後ろに置くようにしましょう。もし、マーカーを置かずにボールを拾い上げてしまった場合には、1打罰のペナルティとなります。
また、グリーン上では他のプレイヤーのボールからカップまでのラインを踏まない、足を引きずらない、等のマナーが存在します。
ジェネラルエリア
上記以外の、ホールの大部分を占めるエリアで、芝が短く刈り込まれたフェアウェイ、地面が多少荒れているラフの他に、カート道や林も含みます。
ボールに触れずに打つのが原則ですが、カート道や修理地、動物が掘った穴など、動かせない障害物に対しては無罰で救済を受ける事ができます。
ケーススタディ!こんな時はどうする?
初心者が特に迷ってしまうのは、OBやペナルティエリアに打ち込んでしまった際の『ペナルティ』と『どこから再スタートするか?』ではないでしょうか?
よくあるケース毎の対処法について、まとめました。
OB(アウトオブバウンズ)
打球がホールの外(白杭や白ライン)に出てしまう事をOBと言います。
対処法は以下の3パターンのどれかとなります。
①元の場所から打ち直し(1打罰)
公式ルールではこの方法となります。
OBしたのが1打目の場合には再びティーアップし、2打目以降なら、その球を打った場所からドロップ(※)して再開します。
しかし、初心者の場合には連続してOBしてしまう可能性も高く、①のルールのみでプレーすると、ティーショットから次に進めなくなってしまう為、以下②③を選択することになるでしょう。
※ドロップとは、膝の高さからボールを落とし、そのボールが停止した箇所から打つ事を言います。
②OBしたと思われる地点の最寄りのフェアウェイから打つ(2打罰)
打球が白線を超えたと思われる地点(🔴)から、カップに近づかない最寄りのフェアウェイ(❌)を起点として、内側に1クラブレングス以内にドロップします。
1打目でOBした場合、2打プラスされる為、4打目としてこの位置から再開する事ができます。
尚、ティーアップはできません。
③前進ティーから打つ(2打罰)
1打目がOBとなってしまった場合に4打目として再スタートできるため、『前進4打』『プレーイング4 』と呼ばれています。
写真が見切れていて申し訳ありません。
【ティーショットがOBの場合、前方の特設ティよりプレーイング4にてプレーして下さい】
と言う旨が書かれています。
ティーイングエリアにこのような看板があり、コースの途中に黄色のティーマーカーが設置してあるコースであれば適応となります。(公式ルールでは採用していません)
こちらはティーアップして打つのが慣例となっており、初心者には最も有利となるローカルルールです。
スロープレー防止の観点から、2019年のルール改正に伴い、②のルールができました。また、それに伴い③が廃止されているゴルフ場もあるようです。
事前に確認しておくと良いでしょう。
ペナルティエリアに入ってしまった
池や小川など、赤もしくは黄色の杭や線で囲まれたエリアを、ペナルティエリアと言います。
ペナルティエリア内でも、ボールが打てる状態にあれば、無罰でそのままプレーしても構いません。
しかし池ポチャなど、ボールが打てなくなってしまった場合には1打罰となります。
再開方法は次の①〜③のうち、イエローペナルティエリアでは①と②のどちらか一方を、レッドペナルティエリアでは①〜③の中から選択できます。(どの再開方法でも、1打罰です)
①元の位置から打ち直し
2打目以降にOBした時と同じ対処法となり、打った場所からドロップして再開します。
②後方線上から打つ
ペナルティエリアを横切った地点(×)を基点に、カップと基点の後方線上にドロップして再開します。
③基点付近から打つ
ペナルティエリアを横切った地点を基点に、カップに近づかない2クラブレングス以内にドロップして再開します。
バンカーに入ってしまった
バンカーに入っても、基本的には無罰でそのまま続行します。
しかし、ボールが砂に深く埋まってしまったり、傾斜が強く、打ってボールを出すのが困難になってしまったりする場合には、『アンプレアブル(続けてプレーできない状態)』を宣言して救済を受ける事ができます。
①元の位置から打ち直し(1打罰)
OBやペナルティエリアでの救済方法と同じく、元の場所に戻って、ドロップして打ち直す方法です。
しかし、バンカーまで行ってボールの状態を確認してから戻る事になるので、プレー進行が遅れてしまいます。
②ボールを基点に打つ(1打罰)
ボールを基点に2クラブレングス以内にドロップして再開します。
③後方線上のバンカー内から打つ(1打罰)
カップとボールを結んだ後方線上、バンカー内で1クラブレングス以内にドロップして再開します。
④後方線上のバンカー外から打つ(2打罰)
カップとボールを結んだ後方線上、バンカーの外で1クラブレングス以内にドロップして再開します。
後方線上であれば距離の指定はありませんが、ミスショットすると再びバンカーに入る可能性があります。
カート道に乗ってしまった
ボールがカート道や水たまり、動物の掘った穴など、動かせない障害物に乗ってしまった場合や、ボール自体が乗っていなくても、ボールを打つ時に障害物によってスタンスが取れない場合には、無罰で救済を受けられます。
カップには近づかず、ボールやスタンスから障害が無くなる地点から1クラブレングス以内を救済エリアとしてドロップし、このエリア内にボールが収まったら再開できます。
空振りしてしまった
空振りも1打としてカウントしますが、ペナルティはありません。
また、ティーショットで空振りをして、風圧でボールが落ちてしまった場合には、手で拾い上げてティーアップし、2打目として打ち直す事ができます。
ボールを見失ってしまった
3分以上探しても見つからない場合は、ロストボールとなります。
公式ルールでは、1打罰のうえ元の場所から打ち直しますが、プレー進行が大幅に遅れてしまう為、アマチュアのエンジョイゴルフでは、ボールを紛失したと思われる付近から1打罰で再スタートする場合がほとんどです。
落ちている木の枝が邪魔でボールを打てない
木の枝や葉っぱ、虫、小石など、動かせる障害物を『ルースインペディメント』と言い、これが原因でボールを打てない場合には、取り除く事ができます。
ただし、それによってボールが動いてしまった場合には1打罰となるので、注意しましょう。
まとめ
文字にすると複雑に感じてしまう方もいらっしゃるかと思いますが、ボールが打てない状態になったら、"ペナルティを受けた上で、前進して打つ"と覚えておけば、よりシンプルに考えられるでしょう。
また、ボールが境界線を超えた正確な位置を把握する事はほぼ不可能なので、多くの場合が「この辺でドロップします」と、アバウトに行われています。
併せて、初心者の場合は『バンカーでソールしない』『グリーン上ではマーカーを置かずにボールを拾い上げない、他人のラインを踏まない、足を引きずって歩かない』など、"やってはいけない事"を把握しておくと良いでしょう。マナーについての記事もご参照ください。