柔軟性を高めて飛距離を伸ばそう!ゴルファー向けのストレッチをご紹介!
飛距離アップの為には、筋力は必要です。
しかし、筋力トレーニングだけしていれば飛距離を出せるようになるかと言うと、決してそんなことはありません。
飛距離を伸ばすには、効率的な体の使い方が何より必要です。
更に柔軟性を高めて関節の可動域を大きく使う事ができれば、それに比例して強い打球を打つ事ができます。
また、筋肉が生まれ変わるのには平均およそ3ヶ月必要と言われていますが、ストレッチは直後から効果が出始める為、即効性が期待できるのです。
今回は飛距離アップに必要な関節可動域についての解説に加え、ストレッチの方法もご紹介します。
ぜひ参考になさってください。
ストレッチで期待できる効果
■ヘッドスピード向上
例えば弓道では、大きく弓を引く事によって速く強い矢を放つ事ができます。
それと同様に、ゴルフでもトップの位置を深く取る事によって、クラブヘッドを加速できる距離を長く確保でき、強い打球を打てるようになるのです。
■スムーズな動作の習得
たとえば、「腕を挙げる」という動作ひとつにしても、肩関節周囲の柔軟性が低いと、体幹を側屈させることによる"代償運動"が出現します。
正しい挙げ方
体幹側屈の代償運動
このように本来の動作とは違う動きの出現により、スムーズな動作の障害となったり、パワーロスに繋がったりします。
柔軟性を高めることで、これらの要因を抑えられ、スムーズで効率的な動作を行えるようになります。
■ケガの予防
ゴルフでの突発的なケガの多くは、筋肉が引き伸ばされた時または関節が可動域を超えて捻られた時に起こります。
日頃からのストレッチにより、筋肉の伸縮性や関節可動域を高めておく事により、これらのケガを予防できるのです。
ゴルファーに必要な柔軟性とは?
全身の柔軟性が高いに越した事はありませんが、ゴルフのスイングを行う上で特に重要となる部位について解説します。
■肩関節
肩周囲は5つの関節があり、それらの複合的な動きによって、他の関節に比べて可動域が広く、多方向に動かすことができるのが特徴です。
特に肩甲骨が肋骨の上を上下左右に大きくスライドすることによって、ダイナミックな動きが実現します。
例えばテイクバックの際には左の肩甲骨が背骨から離れ(外転)、右の肩甲骨は背骨に近づく動き(内転)をしますが、これらの可動域が低いと、左肘を曲げる事で動作を補おうとする為、スイングの再現性が低くなります。
■脊柱
頭蓋骨から骨盤を繋ぎ、体幹部の柱としての役割を担う背骨は、頚部で7個、胸部で12個、腰部で5個の計24個の『椎骨(ついこつ)』と呼ばれる骨が積み重なって構成されています。
それぞれの椎骨の間には関節が形成されており、その関節1つひとつが連動することによって、体幹部の前後屈・側屈・回旋などの動きを担っており、ゴルフのスイングでは特に回旋の動きが重要となります。
健常者では胸椎と腰椎を合わせて、左右におよそ40°ずつ回旋させることができます。
しかし、この可動域が損なわれてしまうと、スイングの中で上半身と下半身の捻転差が作れず、力をうまく伝える事ができなくなります。
■股関節
ゴルフに限らずスイング系の動作では「腰の回転」という言葉が使われますが、先ほど述べたように、胸椎と腰椎を合わせても40°程度の可動域です。そのうち、腰椎のみの可動域は5°程度しかありません。
では、どこが回転しているかと言うと"骨盤"です。
そして、骨盤の回転を生み出す為には、左右の股関節の『内旋』『外旋』の可動域が必要となります。
内旋
外旋
足を固定した状態で、左足を内旋、右足を外旋させると、下の写真のように体が回ります。
ゴルフのスイングでは左足に体重移動させながら打つ為、特に左股関節の内旋が必要となりますが、この可動域が低いと肩が開いたり、左膝が外側に割れたりしてしまいます。
各部位のストレッチ方法
各部位の代表的なストレッチ方法をお伝えします。初めは反動をつけずにゆっくりと伸ばし、慣れてきたら反動をつけて行うと良いでしょう。
また、各部位で1回1分程度、1日に3回ほど、左右対象に行うと、より効果的です。
■肩のストレッチ①
左腕を肩の高さに上げ、右側に伸ばします。
右腕で抑えながら伸ばしますが、この時に肩甲骨ごと動かすように意識しましょう。
■肩のストレッチ②
左手を頭の後ろ側に置き、右手で左肘を抑え、右下の方向に伸ばしていきます。
■体幹のストレッチ①
四つ這いになり左肩を床に着き、左腕は右腕の下を通して伸ばします。
頭は右側を向きます。
右手で、床を下に押します。
この時点で上半身が捻られていますが、余裕のある方は、左のてのひらを上に向け、肘を90°曲げます。
右手を床から離し、両手で合掌しながら左右の手を押し合うように圧を掛けましょう。
まだ余裕のある方は、右足を床から離して、まっすぐ後ろに伸ばします。
右の骨盤が上がらないよう、水平位を保つ事を心がけましょう。
■体幹のストレッチ②
仰向けに寝て、右膝を90°屈曲し左側に捻ります。
肩が浮かないように注意しながら、左手で右膝を下に押さえます。
■体幹のストレッチ③
足を大きく開いて腰を落とします。手を膝の上に置き、体を捻って肩を入れます。
■股関節のストレッチ①
股関節内旋のストレッチです。
左膝を90°屈曲し、内側を床に着けて座ります。
左膝の外側に右足を乗せ、左膝が浮かないようにします。
そして、左の臀部を床に近づけるようにゆっくりと圧を加えていきます。
少しずつ角度をずらしながら行うと、伸びる部位が変わる為、より効果的です。
■股関節のストレッチ②
臀部のストレッチです。臀部には股関節を外旋させる作用のある筋肉が多い為、そこをストレッチすることにより内旋の制限を緩和させる目的があります。
写真のように左膝を立てて座り、右足を左膝の上に掛けます。
膝と胸を近づけるように圧を加えて行くと、主に大臀筋のストレッチとなります。
次に、この状態から足を左側に倒します。
右膝を抱え込むように胸に近づけると、中臀筋・小臀筋・深層にある股関節外旋筋群のストレッチとなります。
いかがでしたか?
今回は自宅で手軽にできるセルフストレッチをご紹介しました。
毎日続けることで柔軟性は確実にアップしますので、ぜひお試しください。